728x90-min

一昔前はライブやレコーディング、オーディションでマルチエフェクターを持って行くと音を出す前からこいつは本気じゃないと白い目で見られる時代がありました。しかし近年のデジタル技術の進歩は凄まじくそれに追随する様、音楽業界でも様々なメーカーからアンプに負けないハイエンドギタープロセッサー(アンプシュミレーター・マルチエフェクター)が登場。遂にギターアンプの世界においてもデジタルの席巻が始まっています。ステージにアンプがなくなる?10万円台〜40万円クラスの高級機種は世界ツアーやレコーディングでも当たり前の様に使用され現場環境にも大きな変化がおこっています。まずはFractalAudio(フラクタルオーディオ)のAxe-Fx、ラックを使用していたトッププロがFraxtal(フラクタル)を使用した事でハイエンドプロセッサーに注目が集まり出し、他メーカーからもLin6(ラインシックス)のHelix(ヒリックス)、Kemper(ケンパー)、HeadRush(ヘッドラッシュ)などが登場しました。そんなハイエンドギタープロセッサー市場に満を持して乗り込むのが日本のメーカーBOSS(ボス)です。2018年にアメリカで行われたNAMM SHOWにおいてBOSS(ボス)がGT-1000を発表。同年4月には発売され多きな話題となりました。

 

  • BOSSのマルチエフェクターの歴史

 

マルチというと昔はラックタイプが多くレコーディングで使われるのが一般的でした。80年代以降はそれをスタジオから持ち出すミュージシャンが増え機材の大型化が加速。90年代になると小さいマルチエフェクターが現れはじめBOSSは1996年に初のGTシリーズGT-5を発売。2000年代に突入、その前後辺りからアンプモデリング技術も進化し2006年に同社初のデジタルアンプモデリングCOSMを搭載したGT-6を発売。2018年までの12年間にGT-8、GT-10、GT-100、GT-1と進化を続け最新GTシリーズとして登場したのがGT-1000です。アメリカで毎年行われる世界最大の展示会NAMM SHOWで発表されるととても大きな話題となりSNSで瞬く間に全世界に情報が広がりました。

 

  • GT-1000の特徴

 

96khz/32bitの高音質設計、最新アンプテクノロジーAIRD(エアード)の搭載、高クオリィテーサウンドのエフェクト軍、大型ディスプレイによるコントロールのしやすさと運搬のしやすさ。とここに書ききれない特徴が沢山ありますがいくつかピックアップして紹介していきます。

 

  • 最新DSPチップにより96khz/32bitの高音を実現

 

デジタル物の心臓部には最新のDSPチップを開発し高音質を実現。そしてこのチップ高性能化の恩恵は音質だけではありません。同時に使えるエフェクト数の増加や並列接続によるサウンド構築、パッチチェンジ時の音切れの改善です。デジタル物を使用する際にギタリストが気にする点としてパッチチェンジをする際の音切れがあります。これは演算処理能力が大きく関わってくる所でありエフェクトなどが多くなれば多くなるほど音切れがおきやすくなります。しかし実際にGT-1000を触った感触としては殆どきにならないレベルでした。もしお手持ちのマルチがあれば歪み、ディレイ、リバーブにピッチシフト系のエフェクトを加え他のパッチと切り替えてみてください。ピッチシフトには高負荷の演算処理が必要になるため機材のスペックを測るうえで一つの目安となります。

 

  • 最新アンプテクノロジーAIRDの搭載

 

GT-1000のアンプモデリング数は16。Fractal(フラクタル)は何百、Kemperは無限という中で驚異的な少なさです。なぜ最新機種のモデリング数がこんなにも少ないのか?その秘密はBOSS(ボス)が新しく開発した最新アンプテクノロジーAIRDの搭載です。他社のアンプモデリングと一体何が違うのか?AIRDはギター入力から最後の出力までの細かなパーツの選択、スピーカーの挙動までもをエディットし単なるモデリングと違う新しいデジタル技術としてサウンドを構築する仕様になっています。アンプを再現しようしてきた今までのベクトルとは全く違うもので新しいサウンドを作るというコンセプトであり更なる進化を期待できる部分です。確かにこの10数年のBOSS(ボス)はデジタルの歪みエフェクター、アンプ製作、名機たちのモデリング、新しいコンセプトのスイッチャー等GT-1000に限らずですが先の製品に対しての階段を一歩ずつ歩んでいると印象です。

 

  • 高クオリティーのエフェクター

 

BOSS(ボス)と言えばOD-1からスタートしたエフェクターの代表メーカーです。ここまで多くのエフェクターそれも全てのジャンルを開発、販売しているメーカーは他にありません。その技術をも組み込んだGT-1000のエフェクトは現段階における40年のBOSSエフェクトの集大成と言えるのではないでしょうか。

 

  • 大型ディスプレイによるコントロールのしやすさと驚異的な軽量化

 

大型で見やすいディスプレイ、シンプルなコントロール軍により簡単な操作が可能。この辺りはGT-1やMS-3の技術をさらにアップデートしている感じがします。Bluetooth接続やPCエディットが可能な点も見逃せません。
そしてGT-1000の大きなアドバンテージの一つが3.6kgという軽さです。その軽量さはずば抜けていて他メーカの約半分です。

 

  • まとめ

 

ハイエンドギタープロセッサー市場に置いて値段の差はもちろんチップの差による出音の差もありますが単に入出力の数、ディスプレイの解像度、中の線やフットスイッチの質、開発費、筐体の値段など沢山の要素があります。20~40万円のFractal(フラクタル)やKemper(ケンパー)をハイクラスとするとGT-1000の大きなライバルとなるのは同じ10万円台のHelix(ヒリックス)やHeadrush(ヘッドラッシュ)ではないでしょうか。プレーヤーにとって大切なのは質よりもまずは出音の好みです。是非実際に試奏してみてください。GT-1000は高音質で操作がし易いと書きましたがLine6のマルチエフェクターをずっと使ってきた友人はHelixの方が操作が簡単と言っていました。アンプの持ち込み負荷でライン出力のみの現場、フェスが増えた現代、こうした時代にハイエンドギタープロセッサーは大きな武器になると思います。いつの日かUSB1つで世界中を周る時代になるのか。更なるハイエンドギタープロセッサーの進化が楽しみです。