エレキギター

なぜリアピックアップにはトーンが効かないのか。ストラトキャスターの不思議

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アメリカのFender(フェンダー)社が1954年に開発・発売したStratocaster(ストラトキャスター)は約60年たった今も基本スペックは変わることなく製造されているギターです。Gibson(ギブソン)のLes Paul(レスポール)と並び現在まで定番の2大巨頭です。そんなStratocaster(ストラトキャスター)ですがピクアップは3つでコントロールも1ヴォリューム、2トーンの3ノブコントロール仕様。ピックアップは3つあるのにトーンは2つしかありません。しかも効くのはフロントとセンターのみ。なぜその様な仕様になったのでしょうか。その不思議と現在までの進化をご紹介しようと思います。

 

 

1950年代、Stratocaster(ストラトキャスター)を開発したレオ・フェンダーやフレディ・タバレスはカントリーミュージックシーンをターゲットにしていました。そのためフロントとセンターにはトーンを配置しリアはキンキンのサウンドを得る目的があったと思われます。また、今では当たり前になった5wayスイッチを使ったハーフトーンですが初期のStratocaster(ストラトキャスター)は3wayスイッチだった為、ハーフトーンサウンドは出すことができませんでした。そのサウンドのよさにたまたま気づいた一部のプレイヤーがテープなどでスイッチを固定し使用していたのが徐々に広まっていき正式に5wayのスイッチが採用されることになりました。スイッチにしろトーンに先に発売されていたTelecaster(テレキャスター)の流れを組んでいたと思われます。

 

 

アンプで歪ませることが当たり前になり、リアにトーンが効くように改造するプレイヤーも増えてきましたが、筆者が個人的に一番魅力を感じ自身のストラトにリアトーンの改造を施すきっかけを作ったギタリストがエリックジョンソンです。正にこの映像を見た瞬間に綺麗なクリーントーンとクリーミーなリードトーンにやられてしまいました。

 

 

時代の流れとともに大音量かと歪み量が求められそれに伴いStratocaster(ストラトキャスター)にも様々な改造がされるようになりました。シングルコイルはハムバッカーよりノイズが出やすいためその対策でレースセンサーピックアップが取り付けられたり、シングルサイズのハムバッカーの登場、位相を変えて独特のサウンドを得るフェイズアウト、0フレットなどなど。

 

 

筆者個人のStratocaster(ストラトキャスター)はマスターヴォリューム、フロント+センター共通トーン、リアトーンの改造になっており、リアトーンノブはプッシュプルタイプに改装、つまりセレクターがどの位置にあってもフロントがONになるようになっています。その為フロント+リハのハーフトーンで擬似Telecaster(テレキャスター)サウンド。さらには3つすべてのピックアップを鳴らすこともできます。

 

IBANEZ (アイバニーズ) / TALMAN TM1730M PRESTIGE (タルマン TM1730M プレステージ)

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ボディ:アルダー
ネック:タルマン・クラシック・プラス・メイプル
指板:メイプル
フレット数:22フレット
スケール:648mm
ピックアップ:セイモア・ダンカン・ファイブ・ツー ×3
コントロール:ボリューム、トーン、5ウェイ・ピックアップ・セレクター
ブリッジ:ITL-PRO トレモロ・ブリッジ
ペグ:ゴトー MG-T ロッキング・マシンヘッド
付属品:ハードシェル・ケース
カラー:ビンテージ・ホワイト

 

1990年代に人気を博した IBANEZ (アイバニーズ) の隠れた名器 TALMAN (タルマン) が新しい仕様で復刻した。当時の”はずしの美学”をそのまま復刻したワケではなく、正統派として生まれ変わった印象だ。この IBANEZ (アイバニーズ) TALMAN TM1730M PRESTIGE (タルマン TM1730M プレステージ) は、オリジナル・デザインのアルダー・ボディにメイプル・ネックをボルトオン・ジョイント。セイモア・ダンカンのシングルコイル・ピックアップを3基搭載して5ウェイ・セレクターで選択すると言う、いわばストラトキャスター的な仕様のギターだ。サウンドもまさに正統派で、シングルコイルのレスポンスが速くきらびやかな高域、巻き弦の質感まで分かる低域を存分に楽しめる。C シェイプのグリップ、305mmR の指板も素直に弾きやすいと感じるはずだ。ロッキング・チューナーやメイド・イン・ジャパンならではの確かな組み込みの効果で、サステインやピッチも良好。簡単に言えば使えるギターということになる。

 

 

TAO GUITARS (タオ・ギターズ) / T-BUCKET”YURI” (ティー・バケット”ユリ”)

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ボディ:2ピース・セドロ
ネック:クォーターソーン・セドロ
指板:インディアン・ローズウッド
フレット数:22フレット
スケール:628.65mm
ピックアップ:BENEDETTI カスタムメイド”T-BONE RAG”セット
コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター
ブリッジ:ヒップショット・カスタム・ハードテイル
ペグ:ゴトー
カラー:ボレロ・レッド (ハイグロス)

 

ベルギー発の新興ブランド、TAO GUITARS (タオ・ギターズ) は、2人のルシアーがハンドメイドで製作するギター・ブランドだ。1つとして同じギターは無く、全てのギターにモデル名とは別に相性が付く。T-BUCKET”YURI” (T-バケット”ユリ”) は日本の百合のイメージで、YURI が愛称だ。ギターとしての佇まいにはヨーロッパのデザイン・センスを感じるが、東洋的な要素も多分に持っている。実際に手に取ってみると驚く程軽く、その軽さのせいか、生鳴りが非常に大きい。アンプを通した音は既存のエレキ・ギターのサウンドに例えるならテレキャスター・タイプで、明瞭なサウンドとレスポンスの良さが特徴だ。ピックアップはハムバッカー的な構造でありながらシングルコイル・サウンドを生み出すカスタム・メイドということで、このピックアップとボルトオン・ジョイント、ブラス・ブリッジ&ステンレス・サドルなどの相乗効果で、テレキャスター・ライクなサウンドを生み出している。マット・フィニッッシューのネックの手触りや、12フレット以上はサイズの細かいフレットを打つといった仕様が功を奏し、プレイ・アビリティも上々。軽量ボディと相まって、演奏上のストレスは皆無だ。ハードウェアも TAO GUITARS (タオ・ギターズ) のオリジナルで、強いこだわりが感じられる。個性的で上質なエレキ・ギターを探しているギタリストにはぴったりのギターだろう。

ATC / ATC150CC

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ボディ:ソリッド・シトカ・スプルース削り出し単板 (トップ)、フィギュアド・ハードメイプル単板 (サイド&バック)
ネック:1ピース・マホガニー
指板:マダガスカル・ローズウッド
フレット数:19フレット
スケール:628mm
ピックアップ:ウォーキン・チャーリー・クリスチャン
コントロール:ボリューム、トーン
ブリッジ:エボニー 1930’s スタイル
ペグ:ゴトー SE700 (オープン・バック)
付属品:ハードケース
カラー:ライト・アンバー・ナチュラル、プリウォー・ビンテージ・サンバースト

 

箱ものギター専門店、渋谷ウォーキンのプロデュースするブランド、ATC から CHARLIE CHRISTIAN (チャーリー・クリスチャン) のトリビュート・モデル ATC150CC が発売された。CHARLIE CHRISTIAN (チャーリー・クリスチャン) は 1963 年に GIBSON (ギブソン) が発売した ES-150 を愛用していたが、今回紹介する ATC ATC150CC は外観こそ ES-150 のビンテージ感を踏襲しているものの、現代のプレイ・スタイルに合わせたグリプの形状や低めの弦高設定に対応した構造など、様々な点でオリジナルよりもはるかにプレイしやすいセッティングを可能にしたギターだ。抱えてみるとしっかりとした重量感があり、ネックは U シェイプと C シェイプの中間で、オリジナルの極太三角シェイプに比べるとはるかに広く受け入れられやすい形状となっている。搭載されているピックアップはもちろん CHARLIE CHRISTIAN (チャーリー・クリスチャン) ピックアップだが、これも渋谷ウォーキンのオリジナルだ。シングルコイルとは思えないほどロー・ノイズで、クリアだがどっしりと野太くサステインするトーンは心地良く弾き込む程にその深みにはまってしまう、そんなギターだ。

GIBSON (ギブソン) / LIMITED EDITION SG NAKED (リミテッド・エディション SG ネイキッド)

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ボディ:マホガニー
ネック:マホガニー
指板:ローズウッド
フレット数:24フレット
スケール:628mm
ピックアップ:ソープ・バー P-90 ×2
コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ
ブリッジ:チューン・オー・マティック& ABR-1
ペグ:グローバー・キドニー
付属品:ギグバッグ
カラー:ナチュラル・サテン、ウォルナット・サテン

 

ピックガードやネック・バインディング、艶やかなカラーなどを一切排除した GIBSON (ギブソン) / LIMITED EDITION SG NAKED (リミテッド・エディション SG ネイキッド) は24フレットとなっており、現代の音楽シーンにもマッチする SG となっている。SG はダブル・カッタウェイとなっているのでハイ・ポジションも弾きやすく、非常に魅力的な演奏生だ。スケールやヘッド角も SG のそれで、独特のテンション感はチョーキングのやりやすさを感じさせてくれる。サウンド面では、P-90 ピックアップによるところが大きく、パワーは抑え気味でシャープさや中域の押し出しが魅力と言える。

 

IBANEZ (アイバニーズ) / RGR621XPB PSW

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ボディ:アッシュ (ポプラバール・トップ)
ネック:1ピース・ハード・メイプル
指板:ローズウッド
フレット数:24フレット
スケール:673.5mm
ピックアップ:クァンタム (H) ×2
コントロール:ボリューム、3ウェイ・ピックアップ・セレクター
ブリッジ:ジブラルタル・スタンダード Ⅱ
ペグ:ゴトー MG-T ロッキング・マシンヘッズ
カラー:ポーラー・シー・ホワイト

 

IBANEZ (アイバニーズ) から、ダウン・チューニング専用のギター、RGR621XPB が発売された。工場出荷時のチューニングがドロップ C という事からも、その特化ぶりが伺える。ダウン・チューニングの時に気になるのは弦のテンション。チューニングを下げ過ぎると弦の張りが弱くなり、押弦した時にチューニングが狂いやすくなる。そういった問題から、この RGR621XPB はテンションを稼ぐ為にスケールを 26.5 インチのエクストラ・ロング・スケール、ヘッドも1弦側の距離が短いリバース・タイプを採用している。ボディ材は、低音域から高音域までのバランスと歯切れの良さを考慮してアッシュを採用。ピックアップは、ダウン・チューニングを意識して新開発されたクァンタム・ピックアップ。ネックはかなり幅広で薄い。実際に弾いてみると、ダウン・チューニング特有のダルダル感がなく、ほぼレギュラー・チューニングと同じ感覚で演奏できる。指板にポジション・マークがないので慣れるまでには少し時間がかかるかもしれない。

 

ARIA PRO Ⅱ (アリアプロ2) / PE-TR2

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ボディ:マホガニー
ネック:マホガニー
指板:ローズウッド
フレット数:22フレット
スケール:628mm
ピックアップ:AMP-90 ×2
コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター
ブリッジ:ABY-923
ペグ:オリジナル
カラー:サテン・ブラック

 

ARIA PRO Ⅱ (アリアプロ2) の PE シリーズは、1970 年代後半から発売されている定番シリーズで、かつては渡辺香津氏や松原正樹氏といった日本人フュージョン・ギタリストの使用で当時のギター・シーンを席巻したモデルだ。今回紹介する PE-TR2 は、その個性的なボディ・シェイプはそのままに、コントロール部のシンプル化とコスト・ダウンを成功させ、初心者ギタリストにも手に届きやすいギターとなっている。ボディとネックにはマホガニー、指板にはローズウッドを使用し、搭載されたソープバー・スタイルのシングルコイルは、先述の木材との組み合わせの為か、比較的マイルドでクリアなサウンドを聴かせてくれる。エフェクトの乗りも良さそうだ。全体に艶消しの仕上がりは木の質感がダイレクトに感じられ、ネック・ジョイントの大胆なカットは見た目のインパクトもさる事ながら、ハイ・ポジションの弾きやすさにも一役かっている。テイルピース一体型のブリッジ、1ボリューム、1トーンという仕様で、シンプルなギターが欲しいというギタリストにオススメ出来るギターだ。

 

MUSICMAN (ミュージックマン) / ARTISAN MAJESTY (アルチザン・マジェスティ)

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ボディ:ホンジュラス・マホガニー (スルーネック)、メイプル (トップ)、アフリカン・マホガニー (バック)
ネック:ホンジュラス・マホガニー
指板:エボニー
フレット数:24フレット
スケール:648mm
ピックアップ:ディマジオ・イルミネーター×2、ピエゾ・ピックアップ
コントロール:3ウェイ・ピックアップ・セレクター、3ウェイ・マグネティック / ピエゾ・セレクター (ピエゾ / マグネティック+ピエゾ / マグネティック)、ボリューム (プッシュ:ゲイン・ブースト)、トーン (プッシュ:コイルタップ)、ピエゾ・ボリューム (プッシュ:モーメンタリー・モノ / ステレオ選択)
ブリッジ:カスタム・ジョン・ペトルーシ・ミュージックマン・ピエゾ・フローティング・トレモロ
ペグ:シャーラー M6-IND ロッキング・ゴールド
付属品:ハードケース
カラー:ヴィオラ、アズーロ、マローネ、ネロ、ロッソ

 

MUSIC MAN (ミュージック・マン) に、また新たな JONE PETRUCCI (ジョン・ペトルーシ) のシグネチャー・モデルが加わった。MUSIC MANN (ミュージック・マン) ARTISAN MAJESTY (アルチザン・マジェスティ) はマホガニーのスルーネック構造を持つモデル、MAJESTY (マジェスティ) のボディ材をアフリカン・マホガニーに変更したモデル。ただし、全てマホガニーではなく、ボディの中央部分だけがメイプル・トップになっている。JONE PETRUCCI (ジョン・ペトルーシ) のシグネチャーということもあり、彼の精巧なプレイを反映するかのような精巧な作りのギターになっている。ネックは薄く、指板はかなりフラットなので、アールのある指板に慣れたギタリストには弾きにくいかもしれないが”速弾き用のギターはこうあるべき”というものを感じられる。スペックを見て貰えれば想像出来るが、サウンドのバリエーションが非常に豊富だ。コイルタップに加え、ピエゾ・ピックアップも搭載されている。ブースターも内蔵されていて、それらがボディ裏側のトリマーで調整可能。作りから想像出来るように現代的な音が特徴。

 

 

GIBSON (ギブソン) / LES PAUL CUSTOM BLUE WIDOW (レス・ポール・カスタム・ブルー・ウィドウ)

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ボディ:3A キルト・メイプル (トップ)、マホガニー (バック)
ネック:マホガニー
指板:リッチライト
フレット数:22フレット
スケール:628mm
ピックアップ:490R (フロント)、498T (リア)
コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・トグル・スイッチ
ブリッジ:チューン・オー・マティック& ABR-1
ペグ:グローバー・キーストーン
付属品:ハードケース、認定書
カラー:ブルー・ウィドウ

 

日本のディーラーがアメリカ・ナッシュビルの GIBSON CUSTOM (ギブソン・カスタム) の工場まで赴き、直接ボディ・トップ材を選定する”ハンド・セレクト”。このシステムでオーダーされたビンテージ・リイシューはよく知られているが、ハンド・セレクトによる全く新しい仕様のレス・ポール・カスタムがこの GIBSON (ギブソン) LES PAUL CUSTOM BLUE WIDOW (レス・ポール・カスタム・ブルー・ウィドウ)だ。このギターは名前の通り、ヘッドからボディまで全て青色のフィニッシュがされていて強烈なインパクトを放っている。厳選された 3A キルト・メイプルがトップ材に使用されている。ちなみに 3A というのはキルト・メイプルのランクで、5Aが最高ランク。パーツ類も青と相性の良いゴールド・パーツ、ヘッドのインレイはスプリット・ダイヤモンド・インレイという仕様で全体的にインパクトがある。サウンドはビンテージ系というよりは現代的でパワフルな印象。極上のボディ材に加えて、リッチライト指板、490R (フロント)、498T (リア)のピックアップの組み合わせが、音を深く歪ませてもボヤけず輪郭のはっきりとしたサウンドが得られる。弾き心地に関しては、太すぎず細すぎず、絶妙なネック、丸みを帯びた指板エッジが手に馴染み、レガート系のプレイを得意とするギタリストに好まれそうだ。ハンドセレクトは常にベストなボディ材が安定的に手に入るとは限らない。気になる人は売り切れてしまう前に手に入れる方が良いだろう。

 

 

【限定版のテレキャスターを試奏!】G&L ASAT CLASSIC BLUESBOY

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ボディ:スワンプ・アッシュ
指板:メイプル
ネック:メイプル
フレット数:22フレット
コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター

 

フェンダー創始者であるレオ・フェンダー氏がフェンダー創設メンバーだったジョージ・フラートン氏と共に設立したブランド、G&L。そのG&Lから、ビンテージ・ライクでありながらも現代的な音楽シーンに対応したテレキャスターが登場。リア・ピックアップには G&L オリジナルのマグネティック・フィールド・デザインというピックアップ、フロントにはセイモア・ダンカンのセスラバー・ピックアップを搭載。限定版の本器はニトロセルラッカーをボディとネックに採用。 

原(クロサワ楽器店販売員):こちらのモデルは G&L USA ASAT BLUESBOY です。前回、ローゼスという機種を弾いて頂きましたが、そちらと同じ機種になります。50年代風のルックスになっている本器ですが、ミディアム・ジャンボ・フレット、9.5の指板アールとなっています。ASAT CLASSIC がマグネティック・フィールド・デザインというピックアップを2基搭載していたのに対し、こちらの機種はフロントがセイモア・ダンカンのセスラバーというピックアップになっているのが特徴です。

 

綿貫(トミヨシミュージックスクール講師):じゃあ、リアから適当に弾いてみます。

 

続きは動画で!動画本編はこちらから↓